小暮和代の写真集 第3弾−インドの村から


今日の一枚 3-1

「インドの村から−1」

Photography by KOGURE, Kazuyo

…あやしいおやじでしょお?

奥村の一言:「刑務所かと思いましたよ、これ見たときには…」

みなさま、お久しぶりです。約1年ぶりに参加させていただきます、小暮です。今回はこのあいだちょっぴり小暮が行ってきた、インド南部の小さい村の特集です。だから奥ちゃんは写っていません。

奥ちゃんと一緒に行ったわけではないので、コレ等のコメントは「私にゃ書きにくいぞ」と、奥ちゃんから言われてしまい、渋々自分で書くハメになりました。

この写真はその小さい村に着いて数日後、村人たちが小暮のことを「フォトジ」と呼び始めた頃のものです。「ジ」というのは敬称です。で、写真ばっかり撮っているから、「フォトジ」です。女性でも「ジ」を付けて呼ばれます。単に「ジ」とだけ呼ばれることもありますが、怒ってはいけません。敬語です。

やはり私のことを「フォトジ」と呼ぶその少女は多分12歳位で、真昼間、村のメインストリートをふらふらしていた私の腕を引っ張って、自分の家に招待してくれました。最初、お母さんとお姉さんと小さい弟が現れ、彼らの写真を撮ったら、父さんも撮ってくれと連れていかれたのがココでした。

オヤジは食事中で、家の中で涼んでいました。いちおう「撮っていいか?」ときくとニヤリとしました。ちょっとコワかった。一枚だけ撮って、その部屋はよしました。だって、薄暗いんだもん。父さんはあやしいし…

帰ろうとしたら、お母さんが途中で呼び止めて、自家製のバターミルクを振舞ってくれました。ラッシーの粗い感じのに、塩とハーブが入ったヨーグルトドリンクです。正直迷いました。10年前、デリー・カルカッタにちょっと行ったとき、お腹を壊したことがあったからです。「自家製のバターミルクかあ」・・・しかし、よく考えたら、私はその村のジューススタンドの常連と化してたので、自家製でもたいして変わらないかと考え、飲んでみました。

美味でした。お腹も元気でした。インドなのにラッキーでした。後で分かったのですが、その村はインドでも例外的に水も綺麗で豊かな土地でした。

ああ、あの村でよかった。


写真&コメント:小暮和代
編集:奥村薫
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今日の一枚 3-2

「インドの村から−2」

Photography by KOGURE, Kazuyo

床屋です。どれが客で、どれが店員かは知りません。それ以外もいそうです。

とりあえず、村の人たち全員を撮ることに目標を置いて、歩き回っていました。で、人がたむろしていたんで、これは撮るっきゃないと…彼らが床屋で暇だから、のん気に撮られているのではなく、この村全体がのん気でした。

3月下旬で、日中は34℃くらいでした。夏好きの私には嬉しいかぎりでした。日本だと春先のシーズンに体調が不安定になり、気分もイマイチなのですが、この“サマー”と“スーパーサマー”しかない国の春は最高でした。奥ちゃんによく、『南国仕様』と言われます。

そういえば、小5から24才くらい迄、長距離ロードレースを走っていたのですが、当時も夏の暑い日とか、春〜秋の雨の日のレースとかが得意でした。要は冬以外が良かったんです。冬はみんな1〜2キロ走ると調子が出てきたりするので、ラスト迄気が抜けません。その点、暑いと早くバテてくれるし、雨だと靴が重くなって、やっぱり早くバテてくれます。私はスピードが無い分、コンディションに影響されないタイプだったので、いわゆるロードレースに向かない条件のほうが気が楽だったんです。おまけに暑いと気分もハイになって、イイカンジになるではありませんか?雨の中を走っていると、体温は上がりませんが、やっぱり気分が盛り上がります。特に夏場の大雨の中なんかは、走るの大好きでした!

いまだにドキドキするのは、雷が来る直前の風とか、雲とか、遠くに聞こえる「ゴロゴロ音」です。野生の血が騒ぐっていうか・・・なんで話が横道にいっちゃったんでしょお?

では、気を取り直して。え〜と、気温の話でした。そーです、この村にはクーラーと言うものがありません。扇風機はあります。でも、湿気が少ないので、家の中に入って風があれば、意外と涼しいです。東京にいるのにクーラーの無い小暮の部屋よりは、インドのこの村の人々のほうが快適でしょう。

この村にいるとき、夜は扇風機も止めて寝ていました。割と快適でした…いやかなり快適だったなあ、私にとっては。ジュースも美味しかったし。カレーも美味だった。いろいろ思い出したら、引っ越したくなってしまったぞ。ゔ〜


写真&コメント:小暮和代
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今日の一枚 3-3

「インドの村から−3」

Photography by KOGURE, Kazuyo


1グラム、80ルピーで何かを売っている〜わけではありませぬ。

暗くなってから、村のメインストリートをふらついていて、そのときのよったお店のひとつです。が、何家だったか覚えていません。

コントラストのつく顔の人々なので、こーいった条件化では、簡単に悪人らしく見えてしまします。でも昼間は違います。

少し遠くからだと、大抵の人は表と裏の区別がつきにくいです。要するに、皆、色黒だので、一様にシルエットと化しています。露出も気を使います。でも、特に女性は近づくと美人だったりします。遠いと分からないけど。

村にお寺(テンプルと呼ばれている)があり、夕方そこをふらふらしていたら、サリーを着た影が近づいてきたことがありました。明かりの近くに来たら、すごい美人で、その日がちょうど誕生日なので、みんなにお菓子を配っているとのこと。年は17歳と言っていましたが、大人っぽくて何しろ美人でした。お菓子はすごく甘かったです。

そういえば、この村のお菓子は気に入りました。ドーナツ型でヤバそうなオレンジ色のお菓子なんか、歯が浮くくらい劇甘で、あと、白くて練乳が固まったみたいなやっぱり甘いお菓子とか。もしかして駄菓子ではなく御菓子だったのかも知れませんが、おいしかった〜。ベビースターラーメン風のカレー味のお菓子も好きでした。また食べたいなあ。安かったし。

お菓子ではありませんが、カレーと一緒に出た「アッパナン」というしおせんべい風の薄焼きナンも気に入りました。

カレーにはライスのみで、ナンは出てこなかったのですが、この「アッパナン」は日本人には嬉しい食べ物だと思います。

おかわりがほしいときには、「アッパナン、カワリッ!!」と言えば、おかわりをくれます。カレーのときは「カレー、カワリッ!!」。バターミルクなら、「バターミルク、カワリッ!!」でOK。現地のテルグ語では「お代わり」が「カワリ」です。

いらないときには「ワッドゥ」。おいしいときには「バーグンディー」です。小暮は英語の発音は普通に見たら悪い(要は日本人英語)のですが、インド人に言わせると、英語もテルグ語も、発音がいいことになってました。

バリバリの帰国子女の友人が話すアメリカ英語は彼らに言わせると、「彼女の発音は、イマイチだ」ということになっていたらしい。もちろん、その友人の英語は実はかなりにうまい。

つくづく、「インドっていい国だなあ」と小暮は思ったものでした。


写真&コメント:小暮和代
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今日の一枚 3-4

「インドの村から−4」

Photography by KOGURE, Kazuyo


奥村の一言:「あの〜、道端でお風呂に入っているんですか、この人?にらまれちゃったみたいですけど。」

風呂に入っているのではなくって、ジューススタンドの隅っこです。

風呂といえば、先日犬を風呂で洗いました。犬といっても正確にはヌイグルミの犬なんだけど。3年位前に新宿のミロードで、一目惚れして買った、抱っこできて、丸洗いの出来る犬です。タオル地っぽくて気持ちいい。目と耳がタレているのがポイントです。

でも、全体に白っぽい犬なので、たまに洗う必要があります。バスタブに水を張って、犬を沈めます。“ぐう〜〜っつ”と押さえつけていると意地悪をしている気分になります。

次に洗剤をつけて汚れの気になるところを集中的に洗います。何故か「ほ〜ら、いいコだな〜」とか、ダマしながら洗ってしまいます。そして、何度かバスタブの水を入れ替え、足で踏んづけて全体を洗います。暑い日を選んでやったので気持ちよかった。納得いくまでゆすいだら、持ち上げて、あちこちを“ぎゅ〜っ”とつねって絞ります。

このときの重さが感動的。何しろ日頃軽いコなのに、目いっぱい水を吸って重くなっているので、本物の犬みたいな気分です。妙な満足感が味わえます。

干すときは、前足を物干し竿に完全に引っ掛けてやれば、頭でっかちなヤツなので安定して干されてくれます。丸一日でさっぱりと小奇麗に乾いてくれました。ほんと、洗濯物がよく乾くとうれしいです。

…で、このオジサンは風呂に入っているのではなく、何かを飲んでいたと思います。何を飲んでいたかは、憶えていません。


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今日の一枚  3-5

「インドの村から−5」

Photography by KOGURE, Kazuyo

じいさんです。袋を担いでました。白くてでかいのを。中身は知りません。

彼はテルグ語しか話せないようでした。私はテルグ語は話せません。

インドに行くとこんな感じのじいさんや、一見サドゥ(修行者)風のじいさまが、わんさかいます。一見そう見えるからって、サドゥとは限りません。ただのじいさんの可能性は結構高いです。顔が〜説得力あるから、間違えます。

でも、運良く本物のサドゥに出会えると、ラッキーです。何も無いところから、ほかほかのクッキーを出してもらったという話を、何かの本で読んだことがあります。

どんな味だったんでしょお?その本の著者は、その味にまでは言及してませんでした。多分、美味しかったかどーかも書いてなかったんではないでしょーか。何クッキーだったのか、チョコチップは入っていたのか、サックサクだったのか、しっとり系だったのか、気になるのは私だけではあるまいに。

彼はクッキーもらってラッキーだったけど、嬉しくはなかったのかも〜と、思いました。

ちなみに、この村にはサドゥはいなそうでした。でも、じいさん達はじいさんなりに、何だか楽しそうに見えました。別に手からクッキーを出さなくても、フツーに仕事して、フツーにご飯食べて、フツーに昼寝して、フツーに幸せなんだなと、思いました。

も〜しかして、手からクッキーを出すサドゥより、このじいさんの方がしあわせかも〜。私も手からクッキー出すより、フツーにクッキー焼いて、フツーにみんなに食べてもらう方が、しあわせに感じるかも〜。

って考えると、しあわせってフツーな事なのかもと、思う今日この頃。ま、人によっていろいろなんでしょうけど。


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今日の一枚 3-6

「インドの村から−6」

Photography by KOGURE, Kazuyo


サリー姿にリーボック。時々、すごいコントラストのセンスを見かけます。でも、これをフツーにされると、何となく納得しちゃって、そのうち慣らされちゃうんですね、こっちまで。

これは村のメインストリートに停車中だったバスの中。乗車口から、ちょろっと撮りました。大都市のデパートでは、ジーンズなんかも売っているんですが、インド女性は、パンジャビ・ドレスかサリー姿が通常のようです。髪にジャスミンの生花を飾って、良い香りを振りまいたり、涼しい音のアンクレットを鳴らして歩き回る姿は、こちらまでゆったりさせてくれます。

パンジャビは現地だと、日本円で千円位からオーダーメイド出来るんですが、小暮はボンビー故、一着も作れませんでした。次回行ったら、作りたいです。サリーは三千円位からだったかな。私はパンジャビの方が、着方も簡単で好きです。

一度チェンナイ市内の一流ホテルで開かれたパーティに連れて行ってもらったのですが、ゴーカなインド料理が食べ放題で、うっとりしてしまいました。特に気に入ったのは、歯も浮く位、激甘のリンゴのパンケーキ風デザート。他の日本人は一枚でギブアップだったようですが、私は楽勝でおかわりしました。すっごく美味しかった。

で、そのパーティに行くのに、皆、予定外のことで、服がなくて困っていました。結局私は友人の、出来たばかりのかわゆいパンジャビを借り、他の何人かの女性は、我々をお世話してくれた方の奥さんのパンジャビをお借りしました。そのとき関心したのは、その奥さん、すっごいいっぱいパンジャビを持っていたんですね。

だから、それぞれの人のイメージに何となく合うのを、貸してくださってました。考えたらそーだな。サリーかパンジャビばかり着ていれば、流行もあまりなさそうだし、すっごいワードロープは増えそう。サリーは着たことはないのですが、確かにパンジャビは、あの気候に合っています。

ジーンズみたいにゴワゴワしないし、長いスカートの下にズボンもはくのですが、特に暑くなく、活動的に動けます。いーな、パンジャビ。

そして、絶対近い将来、サリーにも挑戦しようと誓う小暮でした。


写真&コメント:小暮和代
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今日の一枚 3-7

「インドの村から−7」

Photography by KOGURE, Kazuyo


リヤカー付きチャリンコに乗ったおっさんです。
無理やり撮らされたと言っても過言ではありません。

このときも、村のメインストリートをうろうろしていたのですが、通りからちょっと引っ込んだ一画に気が付いて、近づいたら〜〜、職業不明のオヤジ達に囲まれて、「撮ってくれ、このポーズで撮ってくれ。次はこのポーズで…。」とゆ〜ことで、そのときの一枚です。

やっぱり、目線だけは外さないんだな、この人達。手前のチャリに乗るオヤジのみならず、奥で子供を食べちゃいそうにしているオヤジも、目線だけはしっかりカメラ。
う〜ん。

てゆーか、彼等は一体何屋なのか不思議。何かを壊しているのか直しているのか分からないよーな、一日中ブリキっぽい物体(てゆーか、バケツ?)をひっぱたいているオヤジとか、傍目にはクソ暑い中、ただ、焚き火しているようにしか見えないおっさん達の一群とか。

ある友人は言ったものです。
「オレんちの親父が、あの中にいたら、ちょっとフクザツだな。」
…あ〜ね〜、とだけ、私は答えたものでした。

でもさ、毎日暑くって、スイカは美味しくって、嫁はキレイで、カレーは美味くて…とかいったら、とーちゃんがバケツひっぱたいているだけの人でも、結構イイかも…
と、思ってしまった。


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今日の一枚  3-8

「インドの村から−8」

Photography by KOGURE, Kazuyo


わかるとは思うけど、犬です。
村のメインストリートの道端の水溜りにいました。この後すぐ、逃げられました。この近辺では、犬はこのタイプしか見かけませんでした。細くて短毛な種類でないと、暑くてへばっちゃうんでしょうね。

村の寺に「ダーキニ」という、真っ白で人間には従順で、でも他の犬には空威張り〜のくせにすごく弱い犬がいました。結構仲良くしてもらったんですが、のん気で間抜けで、大好きでした。今も元気かなあ、あいつ。

うちの実家には「弥七」という、混ざりきった雑種の中型犬がいます。弥七君と私はラブラブなので、私が実家に帰ると大変です。如何なる理由にしろ、帰ったその日にデートしてあげないと、翌日の朝、 小暮が踏みそうなところに、真一文字にアテグソがしてあったりします。

犬にしろ猫にしろ、街中などで普通に、人間以外の生き物を見ることができるって、いいなっと思います。彼等は昔から、あえて人間の近くにいてくれているらしいですね。

勿論、人間の数の少ない土地へ行けば、もっと沢山様々な生き物がいるんでしょうけれど、それでもやはり、この異常に人口密度の高い日本の、しかも東京に暮らす私にとっては、 都会にもいてくれる犬や猫は特別な生き物です。

時々は彼等のあり方に憧れもします。人間は滅多に犬や猫の為に生きられないけど、彼等は人間の為に生きてくれているように見えることは多いです。

人間がおばかでも、彼等は人間が好きみたいです。誰か一人に対して、犬や猫がするように、相手がどんなにおばかでも、フツーに愛していられたら、もしそれが出来たら、その人はマリア様なんでないかな。神様もマリア様を沢山作るのは無理だから、代わりに犬や猫を、人間の近くにいてくれるように作ってくれたのかな、もしかして…、などと考えたりします。

家族にしろ、友人にしろ、人間関係の中で、自分や相手を上手に愛せなかったりして、私達が固まってしまうとき、のんびり水浴びをする、マヌケ面の犬を見てしまったら、もはや緩むしかありません。

そーゆーとき、“人間って、案外守られているのかも”などど、思ってしまったりします。

今回で、おかげさまで一応、8回連載が完了しました。またそのうち、お会い出来たら嬉しいです。見てくれて、読んでくれて、ありがとうございました。


写真&コメント:小暮和代
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